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季節の花と薬膳
季節の薬膳(五季)



 季節の花と薬膳
 季節に咲く花、その実と薬膳効用についてご紹介します。

かんぞう   ドクダミ
たんぽぽ   よもぎ   金木犀 からすうり
       




 百合・・・花6~8月 鱗茎11月

夏の盛りに匂い立つ香りと真っ白な花が目立ちました。
その後、花は落ち、土の中で鱗茎が育ち秋の10月末から
11月にその鱗茎が収穫されます。
その鱗茎は蒸す、煮る、炒めるなどの調理法で各種料理に
お菓子、デザートなども作られ食します。肉質はほくほく
としてやさしい味です。また、乾燥品は煎服します。
滋陰の効能があり体の陰液を補い、臓腑を潤し陰虚証を治
療します。
読み方は食品はゆり根、中薬ではびゃくごうと読みます。

効能:(主編・辰巳 洋著薬膳素材辞典)より
①潤肺止咳・・・肺陰虚の空咳、少痰、喀血
       
②清心安神・・・動悸、不眠、夢多、精神不安、イライラ




 ・・・6月
桑の木に実がついていました。桑の木は実は桑椹(そうじ
ん)、桑の枝は桑枝(そうし)、葉は桑葉(そうよう)と
言います。黒く熟した桑椹(桑の実)は、甘酸っぱく濃厚
な味です。1週間後には鳥に食べ尽くされていました。
桑椹は滋陰の働き、桑枝は祛湿の働き、桑葉は清熱の働き
があります。桑枝は4~6月に若い枝を天日乾燥、桑葉は
秋、霜降以降に乾燥させて使います。

 効能:(主編・辰巳 洋著薬膳素材辞典)より
 ★桑椹
 ①滋陰補血鳥髪・・・陰血不足のめまい、耳鳴り、不眠、目のかすみ、白髪、消渇
 ②潤腸通便  ・・・便秘
 調理法:生のまま酒に浸けて薬用酒、生食、乾燥したものは煎服する

 ★桑枝
 ①祛風除湿・通絡止痛・・・風湿痹痛、四肢痙攣、運動障害
 ②利水消腫     ・・・浮腫・下腿浮腫
 調理法:煎服

 ★桑葉
 ①辛涼解表・・・疎散風熱、清肺潤燥、平抑肝陽、清肝明目
 調理法:煎服





 馬歯莧・・・6月~9月
馬歯莧は、馬の歯が並んでる様に見えることから(ばしけ
ん)と読み、スベリヒユとも呼ばれます。
畑や空き地などに生え、全草を食します。抜いても抜いて
も生えてくるため効能を知らない人には嫌われものです。
清熱解毒の強い働きがあり、暑い時期にうってつけの食薬
です。ほんの少しヌメリ感があります。


 効能:(主編・辰巳 洋著薬膳素材辞典)より
 ①清熱解毒・・・瘡瘍腫毒、帯下、尿道の灼熱感、血尿、にきび
 ②涼血利水・・・血淋、排尿痛、血尿、血便、湿熱の下痢
 調理法:和え物、浸し、サラダ、スープ、天ぷらなど
     天日干しのものは戻して煮物、炒め物に。煎服。





 山梔子・・・花6~7月・実10~11月
白い花が咲き少し黄色くなってきました。
山梔子は別名くちなしの花です。品の良い甘い香りが漂っ
ています。花が終わると小さな実となり、秋には大きくな
り、くちなしの実になります。
きんとんの色付け、たくあんの色付けでおなじみです。
清熱の働きがあり、夏や熱からくる症状に使いたい食薬で
す。

 効能:(主編・辰巳 洋著薬膳素材辞典)より
 ①瀉火除煩・・・熱証、出血、不安、汗、のどの渇き、咳、尿通
 ②清熱利湿・・・黄疸、痰黄
 ③涼血解毒・・・瘡瘍腫毒、目赤腫痛
 調理法:煮物、漬物、蒸し物、きんとんなどの色付け。煎服。




 
 金銀花・・・5月~7月ころ
朝に咲いた花は白く、夕方にかけて黄色に色が変化して
いるさまから金銀花と呼ばれています。
すいかずら、忍冬花とも呼ばれています。
 甘い香りがやさしく漂い、ジャスミンの香りに似ているでしょうか。
使用する部は花のつぼみになります。
体の内部から生じた高熱を取り除く食薬です。各種熱証、皮膚炎などに適応します。
この花が終わる頃、関東地方では梅雨に入ります。

 効能:(主編・辰巳 洋著薬膳素材辞典より
 ①清熱解毒・・・皮膚の化膿、痢疾(赤痢)、あせもなど。
 ②疎散風熱・・・発熱、口渇、咽喉の腫れ痛みに。
  調理法:お茶、花酒









・・・10月ころ
林の中、お家の庭先に柿の実が色づき始めました。店頭では柿が行儀よく並んでいます。
「一物全体」のとおり、生柿・柿餅(干し柿)・柿霜(干し柿の白い粉)・柿蒂(柿のへた)・柿漆(青柿からつくられる二カワ状の液)として利用されます。
秋を代表する果物で、秋の五臓・肺と主気の燥を補養する働きがあります。
 
 効能:(主編・辰巳 洋著薬膳素材辞典より)
 ①清熱潤肺・・・熱を冷まし肺を潤す。肺熱の咳、喀血、便秘に。
 ②生津止渇・・・津液を生じ渇きを改善する。胃熱傷陰、口渇、口内炎に。
 ③解酒熱毒・・・二日酔い、酒の飲みすぎに。

 *柿餅(しへい):潤肺、止血、止瀉・・・咳、血痰、喀血、痔、下痢に。
 *柿霜(しそう):清熱、潤燥、化痰、止咳・・・咽喉痛、咳、口内炎に。
 *柿蔕(してい):降気、止逆、止嘔・・・しゃっくり、嘔吐、咳に。
 *柿漆(ししつ):高血圧、脳卒中の後遺症、夜尿症、甲状腺腫大、慢性気管支炎には
          内服。扁桃腺、口内炎には含嗽薬として。火傷、湿疹、凍傷には外
          用薬として。

 調理法:
 生食、和え物、サラダ、なます、菓子、デザート、ジャム
           柿蔕~柿のへた

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かんぞう
・・・7月
電車の窓から、線路際の土手にオレンジ色のやぶかんぞうが、咲き乱れているのが見られます。この花をつぼみのうちに摘み取り蒸して乾燥させたものが薬膳では「金針菜・きんしんさい」と言います。忘憂草とも言われ、美しい花を見て憂いを忘れる、憂いを忘れるほどおいしい。という名前由来があります。車窓から一時、見惚れています。
 効能:
 ①利水浸出類・・・利尿作用、清熱作用で体内の余分な水を排泄させる。発熱には熱を
  冷ます。
  むくみ、吐き気、めまい、口苦、イライラ、発熱、不眠などの症状に用いる。
 調理法:
 水で戻してから使用する。和え物、炒め物、煮もの、天ぷらなど。

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・・・7月~9月
 葛の花の甘いやさしい香りが漂っています。赤紫色の小さな花の集まりが房状となって 咲いています。秋の七草のひとつ。 薬膳では「葛根(かっこん)」と言います。
 くず、くず粉はこの葛の根に含まれるでんぷんを言います。
 生薬の葛根は根の外皮をむいて水にさらしてからさいの目に
 切り、天日乾燥したものです。
 効能:
 ①辛涼解表類に属す・・・発汗により体表に侵入した邪気を取り  除く作用がある。
  発熱、悪風、微汗、目の充血、目やに、くしゃみ、鼻水、鼻づ  まり、のどの痛みなどの症状に用いる。
 調理・用法:
 くず粉:くずあんなど料理、お菓子
 根:生薬、煎服

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ドクダミ・・・5月~7月
 ドクダミの白い花が咲き始めています。多くの薬効があるため「十薬」の別名もありま す。薬膳では「魚腥草(ぎょせいそう)」と言います。
 独特の臭いがあり、好まれることは少ないようですが、花は可憐で す。食する部分は葉、茎で若芽、若葉はお浸し、和え物、汁の実、 天ぷら、サラダでおいしくいただけます。効能にあるようにこれか らの暑い季節に食すると良いでしょう。乾燥させたものは煎じて飲 みます。
 効能:
 ①清熱類(清熱解毒類)に属す・・・体の内部から生じた熱をとり  除く・利尿作用・解毒の働きがあり、濃痰、皮膚の化膿、排尿困  難、湿熱性の下痢などに適応します。

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たんぽぽ・・・3月~9月
 野原、道端などにしっかり根を張って咲いています。 薬膳では「蒲公英(ほこうえい)」と言います。
 全草が食用になり、特に春の若葉は柔らかく、かすかな苦みはおいしくいただけます。
 効能:
 ①清熱類(清熱解毒類)に属す。・・・体の内部から生じた熱をとり除く。
  のどの脹痛、にきびなどの吹き出物、皮膚の化膿、痒みなどの症状に適応します。
 調理法:
 春の若葉はサラダ、お浸し、和え物に。夏秋はゆでて水にさらしてから。
 乾燥させてお茶。根は乾煎りしてたんぽぽコーヒー。花はお酒につけて。

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よもぎ・・・3月~
 野原など陽当たりのよい地に咲いています。
 薬膳では「艾葉(がいよう)」と言います。3月ころの新芽はお餅で食べ、季節を味わいます。ちなみに葉の裏毛はお灸のもぐさに用います。
 効能:
 ①理血類(止血類)に属す。・・・「血」に関する病気を治療する。
  虚寒性出血、血便、痔、生理痛、腹痛などの症状に適応します。
  他に肩こり、冷え症、疲労回復、神経痛、胃腸虚弱などに。
 調理法:
 新芽、若葉は草餅、胡麻和え、天ぷら、炒め物に。煎菔。

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金木犀 ・・・9月~10月開花
 今、盛んに香ってオレンジ色の花が満開です。忙しく過ごしていると、香りで秋の  訪れを知らせてくれます。
 金木犀(キンモクセイ)は薬膳では「桂花(ケイカ)」と言 います。
 蕾を採取し風とおしの良いところで乾燥させます。
 効能:
 ①温裏類(臓腑を温め、冷えの症状を改善する食薬)に属す。
 ②腹の冷え、疼痛、歯痛、咳、喘息、口臭などの症状を改善します。
 調理法:
 お茶、おかゆ、ケーキ、飴、薬酒など

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からすうり・・・9月~10月
 夏、夕刻からレースのような花~8~10cm大~がゆっくりと開きます。写真にあるよ うに、純白でそれは見事な美しさです。一夜で花は終わり実になっていきます。
 今はオレンジ色の実となっています。薬膳では「木舌 楼(カロ)」といいます。

     

 効能:
 ①化痰止咳平喘類(痰を取り除く、咳、喘息、粘痰の症状を改善する食薬)に属す。
 ②全体は呼吸機能を調節し、咳、喘息、痰症状を、種子は便秘を改善します。
 調理法:
 お茶、煎服、砂糖煮など

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