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季節と薬膳~天人相応~

 薬膳の勉強は「季節の薬膳」から始めます。
中医学では、陰陽の変化に従い、季節が変わると考えています。人間の体の陰陽も季節や気候の変化に従い変化していくという「天人相応」の思想を重視しています。そのため春夏秋冬の季節によりそれぞれの食養生があります。各季節の特徴や自分の体調を考慮したうえで、適切な食材を選び調理方法を工夫し、身体のバランスを整えることが必要になります。


 春は立春(今年2月4日)から立夏までの3か月間です。
自然界は「陰消陽長」となり、陰気が弱くなって陽気がだんだん強くなってきます。夜が短くなり日照時間が徐々に長くなります。冬の寒い気候から春に向かって温かくなり、動物たちは冬眠から覚め、新緑や美しい花々が咲く生命力に満ち溢れる季節です。私達の体も自然界の影響を受けて陽気が高まり心身の機能が活発になります。特に春はストレスにより肝の機能異常が起こりやすく、イライラ、怒り、興奮しやすい、うつ状態などの症状が現れることもあります。春の薬膳料理では「補血(血を補う)」と「理気(気の巡りをよくする)」作用のある食物によって肝機能を正常に戻す食養生が基本になります。鶏や豚レバー、山芋、茸類、セロリ、春菊、クコの実、なつめ、かんきつ類などがおすすめ食材です。また、春は風邪予防の食養生も大切です。

                       

 夏は立夏(今年5月6日)から立秋までの3か月間です。
自然界は「陽気旺盛」となり、最も日差しが強く一番熱い季節ですが、日本の夏は蒸し暑く高温多湿という特徴があります。そのために私達の身体は余分な熱と湿がたまり易く、食欲不振、体が熱い、のどが渇くなどが見られます。特に夏の暑さにより心の機能異常が起こりやすく、情緒の不安定、動悸、不眠などの症状が現れることもあります。
夏の薬膳料理では「清熱解暑(熱と暑を取り除く)」と「生津止渇(体液を生じさせ渇きを止める)」作用のある食物によって心の機能を正常に戻す食養生が基本になります。そば、西瓜、胡瓜、冬瓜、苦瓜、緑茶、緑豆、豆腐、トマトなどがおすすめの食材です。




 秋は立秋(今年8月8日)から立冬までの3か月間です。
自然界は「陽消陰長」となり、暑い夏から徐々に陽が消え、陰が強くなります。爽やかな秋は黄色く色付き収穫の時期を迎え、空気は乾燥します。私達の体も同じように潤いが不足し、のど、皮膚、髪の乾燥や便秘などが見られます。特に秋は乾燥により肺の機能異常が起こりやすく、呼吸器系のトラブルが発生し、から咳、喘息などの症状が現れることもあります。
秋の薬膳料理では「滋陰潤肺(体液を滋養し、肺を潤し、乾燥を防ぐ)」作用の食物によって肺の機能を正常に戻す食養生が基本になります。かに、貝類、鶏卵、豚肉、山芋、松の実、クコの実、蓮根、白きくらげ、梨、牛乳などがおすすめの食材です。

                       
                           

 冬は立冬(今年11月8日)から立春までの3か月間です。
自然界は「陰盛陽衰」となり、陰が強く、陽が虚弱し、一年中で一番寒い季節で、万物は冬眠状態に入ります。私達の体も自然界の影響を受けて休養と滋養の時期に入ります。冬の寒冷と乾燥は新陳代謝が低下し、血行が悪くなり、冷え性、手足のしびれ、肌荒れ、神経痛などが見られます。特に冬の寒さにより腎の機能異常が起こりやすく、膝腰の無力感と痛み、頻尿、性機能の減退、難聴、忘れっぽいなどの症状が現れることもあります。
冬の薬膳料理では「温裏去寒(全身や局部の冷えや寒さを除く)」と「滋養強壮の薬膳:①補気(各器官の生理機能を促進)②補陽(エネルギー代謝を促進)③補血(血を補う)④滋陰(体液を滋養)⑤健脾(消化吸収を促進)」作用のある食物によって体を温め、血行を促し、滋養強壮の食養生が基本になります。にら、海老、香辛料、肉・レバー類、魚介類、卵、牛乳、野菜類など多種多様な食材をバランスよく食べることをおすすめします。


 中医学には「治未病」の思想があり、治療より予防こそが重要であると考えています。
治未病のための食生活のポイント
①自然に順応する:中医学では、人間は宇宙の一部として生きていると考え、生活習慣リズム、服装の調節、飲食の五性(寒・涼・平・温・熱)や五味(酸・苦・甘・辛・鹹)を合わせるなど、春夏秋冬の季節の変化に従い、対応させる必要があります。
②飲食を調節する:薬膳では季節、地域、年齢、体質などに合わせた食材や中薬を選択し、組み合わせることが大切です。食事は規則正しく、適量を、偏食は避け、衛生面に注意します。


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