東京栄養士薬膳研究会にようこそ


東京栄養士薬膳研究会

〒300-1622
茨城県北相馬郡利根町
       布川1847

     

    

「健康日本21」最終評価について

標記の内容について平成23年10月13日に厚生労働省より報道発表されたので
(概要版)と(栄養食生活分野)を抜粋して掲載いたします。

(概要版)  
はじめに(健康日本21の策定と経過など)
「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」は、壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸等の実現を目的とし、平成22年度を目途とした具体的な目標を提示すること等により、関係機関・団体等を始めとして、国民が一体となって取り組む健康づくり運動(運動期間は平成12年度から平成24年度まで)である。平成19年4月に中間評価報告書を取りまとめた。
  

最終評価の目的と方法
健康日本21の評価は、平成22年度から最終評価を行い、その評価を平成25年度以降の運動の推進に反映させることとしている。(平成23年3月から「健康日本21評価作業チーム」を計6回開催し、評価作業を行ってきた。)
健康日本21では9分野の目標(80項目、うち参考指標1項目及び再掲21項目を含む。)を設定している。これらの目標の達成状況や関連する取組の状況の評価などを行った。
  

最終評価の結果
全体の目標達成状況等の評価
9つの分野の全指標80項目のうち、再掲21項目を除く59項目の達成状況は次のとおり。Aの「目標値に達した」とBの「目標値に達していないが改善傾向にある」を合わせ、全体の約6割で一定 の改善がみられた。
  

評価区分( 策定時* の値と直近値を比較 ) 該当項目数<割合>
A 目標値に達した 10項目 <16.9%>
B 目標値に達していないが改善傾向にある 25項目 <42.4%>
C 変わらない 14項目 <23.7%>
D 悪化している 9項目 <15.3%>
E 評価困難 1項目 < 1.7%>
合 計 59項目 59項目<100.0%>
*中間評価時に設定された指標については、中間評価時の値と比較
  

【主なもの】
A: メタボリックシンドロームを認知している国民の割合の増加、高齢者で外出について積極的態度 をもつ人の増加、80歳で20歯以上・60歳で24歯以上の自分の歯を有する人の増加 など
B: 食塩摂取量の減少、意識的に運動を心がけている人の増加、喫煙が及ぼす健康影響についての十分な知識の普及、糖尿病やがん検診の促進 など
C: 自殺者の減少、多量の飲酒する人の減少、メタボリックシンドロームの該当者・予備群の減少、高脂血症の減少など
D: 日常生活における歩数の増加、糖尿病合併症の減少 など
E: 健診・保健指導の受診者数の向上 (平成20年からの2か年のデータに限定されるため)
  

分野別の評価
各分野(栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の 健康、糖尿病、循環器病、がん)の指標項目ごとに達成状況と評価、指標に関連した施策、今後の 課題を取りまとめた。(特に直近実績値に係るデータ分析や課題などについて、コメントを加え、 評価の理由やポイントについて分かりやすく示した。)
  

取組状況の評価
自治体における健康増進計画の策定状況は、都道府県100%、市町村76%であった。
98%の都道府県で健康増進計画の評価を行う体制があり、中間評価も実施されていたが、市町村では約半数であった。また、健康増進施策の推進体制については、98%の都道府県で関係団体、民間 企業、住民組織が参加する協議会・連絡会等の体制があり、市町村でも7割弱を占めた。
都道府県の健康増進施策の取組状況については、9分野のうち「充実した」と回答した割合が高かったのは、がん(89%)、たばこ(83%)など、50%を下回ったのはアルコール(23%)と循環器病(43%)であった。目標達成の状況は、今後の各自治体での最終評価の状況を踏まえた整理が必要である。
市町村で各分野の代表項目で「充実した」と回答した割合が高かったのは、がん検診の受診者の増 加(66%)、特定健診・特定保健指導の受診者数の向上(61%)などであった。
健康日本21推進全国連絡協議会の加入会員団体で、取組体制について担当者を決めたとする団体は81%と高く、他の機関や団体との連携や年度ごとに計画を立てた取組の実施も6割を超えた。
  

おわりに(次期国民健康づくり運動に向けて)
次期運動方針の検討の視点
① 日本の特徴を踏まえ10年後を見据えた計画の策定
② 目指す姿の明確化と目標達成へのインセンティブを与える仕組みづくり
③ 自治体等関係機関が自ら進行管理できる目標の設定
④ 国民運動に値する広報戦略の強化
⑤ 新たな理念と発想の転換
  

次期運動の方向性
① 社会経済の変化への対応
・家族・地域の絆の再構築、助け合いの社会の実現(東日本大震災からの学び等)
・人生の質(幸せ・生活満足度等)の向上
・すべての世代の健やかな心を支える社会の在り方の再構築 など
② 科学技術の進歩を踏まえた効果的なアプローチ
・進歩する科学技術のエビデンスに基づいた目標設定
・個々の健康データに基づき地域・職域の集団をセグメント化し、それぞれの対象に応じて確実に 効果があがるアプローチを展開できる仕組み
・最新技術の発展を視野に入れた運動の展開
③ 新規・重点的な課題(例)
・休養・こころの健康づくり(睡眠習慣の改善、働く世代のうつ病の対策)
・将来的な生活習慣病発症の予防のための取組の推進
・高齢者、女性の健康
・肺年齢の改善(COPD、たばこ) など
  

(栄養・食生活 分野について)
指標の達成状況と評価
策定時*の値と直近値を比較 項目数
A  目標値に達した
B  目標値に達していないが改善傾向にある
C  変わらない
D  悪化している
E  評価困難
合 計 15
*中間評価時に設定された指標については、中間評価時の値と比較
  

栄養状態、栄養素・食物摂取については、女性(40~60 歳代)の肥満、食塩摂取量には改善がみられたが、脂肪エネルギー比率や野菜の摂取量などについては改善がみられなかった。
知識・態度・行動の変容については、自分の適正体重を維持することのできる食事量を理解している人の割合、メタボリックシンドロームを認知している割合など知識や態度レベルでは改善がみられたが、朝食欠食など行動レベルの変容にまで至らなかったものもある。
行動変容のための環境づくりについては、ヘルシーメニューの提供や学習・活動への参加について改善がみられた。
性・年代別では、男性の20 歳代から30 歳代にかけて肥満者の割合が増大することが示唆されるとともに、男女ともに20 歳代で他の年代に比べ、脂肪エネルギー比率が30%以上の者の割合が最も高く、野菜摂取量が最も尐なく、朝食欠食率が最も高く、体重コントロールを実践する
人の割合が最も低いという結果であった。
  

指標に関連した主な施策






食生活指針、食事バランスガイドの策定、普及啓発
「日本人の食事摂取基準」の策定
食育の推進(食育基本法施行、食育基本計画の策定)
すこやか生活習慣国民運動、Smart Life Project の実施
特定健康診査・特定保健指導の実施
栄養成分表示の推進
介護予防の推進(介護保険法施行、介護予防事業)
  

今後の課題
肥満の予防・改善については運動との連動、朝食欠食の改善については休養(生活リズム)との連動などといった、個人の生活習慣全体を包括的に捉えた新たなアプローチとともに、子どもの頃からの望ましい生活習慣の定着を強化していく必要がある。
食塩摂取量の減少のように、個人の努力だけでは、これ以上の改善が困難なものについては、栄養成分表示の義務化や市販食品の減塩など企業努力を促すための環境介入が必要となる。
今後は地域格差や経済格差の影響が大きくなることも想定されるので、社会環境要因に着目した戦略が必要となる。
今後は地域格差や経済格差の影響が大きくなることも想定されるので、社会環境要因に着目した戦略が必要となる。
男女とも20 歳代で、栄養素の摂取や行動変容が乏しいことから、この年代への対策が必要である。特に男性は、20 歳代から30 歳代にかけて体重を増やさないためのアプローチが必要である。
  


「健康日本21」最終評価について全内容を知りたい方は、厚生労働省ホームページをご覧ください。
上記の栄養・食生活の評価にみられる問題点については、薬膳料理を活用する ことにより、改善をはかることが出来ると考えられる点も多いので、さらなる薬膳料理の普及を目指していく必要があると思わされる最終評価の内容でした。