東京栄養士薬膳研究会アーカイブ [ 会員専用 ] 

2016.03

栄養と薬膳で治未病



            東京栄養士薬膳研究会 
            代表 海老原 英子


特別講演会第10回を迎えて・・・・・

 都民の健康づくり運動~薬膳から始まる健やかライフ~「特別講演会」もお陰様で第10回めを迎えることができました。会員のみな様のご支援のたまものと心から感謝しています。昨年は8月の上旬には定員をはるかに越え大勢の方々にご迷惑をお掛けしました。そのこともあってか今年は6月にチラシが配布されると同時にお申し込みやお電話での問い合わせがきています。
 今年のテーマは「未病対策~西洋医学と中医学からの検討~」で、講師は神奈川県立保健福祉大学学長の中村丁次先生と桑楡堂薬局の邱紅梅先生です。
 未病医学は疾病を予防する医学です。病気になったときには早期診断、早期治療し、悪化を防ぐ医学であるばかりでなく、検査で異常が認められない場合でも不快な自覚症状があるときに行う体調を改善する方法(治療)を示したものです。『黄帝内経』(紀元前722年頃~紀元前221年頃)には「道理をよくわきまえた人は、病気になってしまってから治療方法を講ずるのではなく、まだ病にならないうちに予防する」など治未病のことが記載されています。
 古今東西、誰もが健康で長寿を全うしたいと願っています。この講演会で適切なヒントを得られ、日々の生活に活かされ、健やかに過ごされることを期待しています。  

栄養と薬膳で治未病・・・・・

 本会では大勢の管理栄養士・栄養士の方々が毎月開催される薬膳研修会に参加し、知識や技術の研鑽を積んでいます。基礎学習コースは4年~5年で終了し、引き続き研究コースで中医師の指導のもとで専門性をより高めるために研究を行っています。
 薬膳研修会は90分の中医学理論の講義と120分の薬膳調理実習と試食を行います。講義の内容は難解ですが、実習はさすがに見事なチームワークで主食、主菜、副菜、汁物、デザートの5品の料理を調理し、盛り付けまで完璧にプロの技を発揮します。班ごとにテーブルを囲んで一つ一つの料理の評価をしながら楽しい雰囲気で試食を行います。
 薬膳は、長い歴史をもつ中国の食文化の一つで、強壮と治未病、病気の治療と回復、老化防止などを目的とした料理ですので、中医学理論に基づいて中薬や薬用効果のある食材を組み合わせて調理し、色、香り、味、形なども整っていることが重要になります。また、日々の食事ですから美味しい料理であることも大切な条件になります。
 
 一方、栄養士業務の中では、食と健康の専門職として高度な知識に裏付けされた栄養指導・栄養教育による健康増進や疾病予防の評価が要求されています。この現状の中で、本会では現代栄養学でまだ対応しきれない冷え性や浮腫みなどの分野を中医薬膳学の知識を活用し、少しでも体調不良の改善に役立たせ、「人々の人生を健康でより幸せに生きる」のニーズに応えようと努力をしています。
 「栄養と薬膳で治未病」のテーマを掲げ、栄養士活動のより一層の充実を図っていきたいと考えています。