東京栄養士薬膳研究会アーカイブ [ 会員専用 ] 

2018.5.27

平成30年度通常総会特別講演会 〜 于 爾康 先生
 
 「日々の生活から健康づくりへのアプローチ~漢方相談に来る方の疾病の原因と臨床の実際」と題して、3年前から町田地区の研修会で講師をお願いしている于爾康先生(中医師・医学博士・日本中医学院で教鞭・薬局漢方アドバイザー・鍼灸師)をお迎えして、特別講演会を開催した。まず健康づくりは永遠のテーマであり、薬膳の最終目標も「健康で長生き」であるので、主に伝統医学の観点から体をみて、どうすれば健康になれるか説明するという前置きがあり、予定時間を15分オーバーして熱心に于先生の持論に加えて新しい情報も随所に織り交ぜた大変興味深い講演会となりました。(研究1高橋邦子)

<講演要旨>
 現在、我々を取り巻く環境により、生活様式の変化による生活習慣病や加齢減少による退行性疾病、社会的緊張によるストレス関連病等を引き起こしている。これらの疾病に対し、病院では対症治療が多く症状に対して薬を処方するだけで、人の個性や取り巻く環境要因を無視した治療が多く行われている現状がある。
        

 一方医療関係者、行政において様々な健康づくり対策を探りだしており。伝統医学の知恵を活用して病院で足りないものを補足する漢方相談も行われている。

        

 伝統医学(中医学)においては、人間は自然界の産物であり人間と自然界との調和、統一を考える。ほとんどの病気は、生活習慣からくるものであり、特に精神状態が良くなると病気も良くなると考えられる。良い精神状態を保つためには欲張りや無理な追及はしない。羞恥心や恐怖や心配を過剰にしない。落ち着いた対応をすることが大切である。また自然環境との付き合いについては、自然界の一員として陰陽五行法則を遵守し、自然界との調和関係を持つ。天地の陰陽変化に応じて、夏は夏らしく、水分補給は行うが冷たい水を飲んだり、冷房などで冷やしてはいけない。冬は冬らしく、防寒は必要だが温めてはいけない。一日の朝昼晩のリズムも調整して、夜の活動、朝寝坊、朝胃を冷やすというようなことは避ける。

        

薬膳に関しては、陰陽虚実により材料を合わせ、水と火と調味料を使って陰陽性質を調節すると良い。